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「本当に分からないのだ。強いて言えば俺は北から来て南に向かっている。人は具体的な地名をあげれば、その地名のイメージで安心する。自分がその場所に向かっていると錯覚する。しかし、何者も自分自身が真にどこへ向かっているのかは分かっていないのだと思う。それは、右足か左足か、どちらが出ているのか自分自身でも無意識なことと似ている」
ディン・ディディンは振り向かずにこう言いました。なんてことでしょう。何を言いたいのか全く分かりません!
「ほら見ろ!何となく哲学的なこと言っておけば知的ぶれるとでも思ってんだろーが!クソだ、こんな世界はクソしょうもねー!」
ドナリ編集の怒鳴り方は、もうほんと、すごいですね。よくあれだけ暴言ばかり吐けると思います。旅人ディン・ディディンはそのままどこかに歩いて姿を消しました。追いかける気力も起きなかったことが悲しいです。
「さあ、気を取り直して帰り道を探しましょう」
「うるせーバカ野郎!てめーで早く探せ!俺は忙しいんだよ!俺はここから動かねーからな!てめーのせいだぞ、どうにかしろこのクソバカ女が!」
ああ、本当にひどい人だなあ。そう思っていると、空から悪魔のような人が降りてきました。
悪魔は黒い大きな翼をもち、黒い服を着ており、いかにも悪魔のような角をはやしており、口にはいかにもなするどい牙があり、いかにも禍々しい顔をしていました。手には槍のようなものを持っています。ああ、私たちは悪魔に殺されてしまうのでしょうか。悪魔は私たちのもとに降りてきました。
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