怪談作文

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     ヨンデヨ                                   一年三組 矢崎裕美 言霊というものがあることを知ったのは小学五年生のときです。 同級生の光彦くんに教えてもらいました。 読書は好きだけれど、作文が苦手なわたしは、夏休みの課題に手こずっていました。 そんなわたしを見かねた光彦くんが手伝ってくれたのです。 彼は物語を作るのがとても得意だったから、わたしのような本が好きな女子たちのあいだではとても人気がありました。 「読んでよ」と顔を赤くしながら、原稿を見せてくれる仕種が、女の子みたいで可愛いらしかったことを今でも覚えています。
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