怪談作文

3/8
前へ
/44ページ
次へ
自分の思ったことを、素直に言葉にして書き写すんだ。 そうすれば言葉に力が宿るから。 想いは強ければ強いほどいいよ―― 正直、光彦くんのアドバイスはわたしには難しく感じました。 理解が追いつかないわたしは、すごいねーと頷きながら彼が集めた筆記用具のコレクションを眺めているばかり。 それでも、作文は何度も手直しをしてもらってなんとか仕上がりました。 さすがは光彦くん。 担任の先生にも褒めてもらえるほどの出来栄え。 彼の手を借りたことは、二人だけの秘密でしたから、少しだけいけないことをしたような気にもなりましたが、それでもとても嬉しかったです。
/44ページ

最初のコメントを投稿しよう!

4人が本棚に入れています
本棚に追加