12人が本棚に入れています
本棚に追加
/173ページ
本日の中学生水泳大会の予選を含め、試合ぐらいでしか実際に会わない他校の友達と、終わったらお疲れ様会をする事になっていたのだ。
集合は予選会場のロビーで、会場になるお洒落なカフェまで直行である。
既に参加費を幹事に払っている上に、仲の良い友達の何人かは、昨日渡せなかったと美咲に誕生日プレゼントを用意していそうなので、美咲は是が非でも参加したかった。
濡れた水着やノーパンで過ごす充実した午後と言うのは、想像するだけでスース―してくる。
目の前で爆笑している日に焼けた茶髪の少女は、みんなには言わないが、スカートめくりをチョイチョイ仕掛けてくる。
そういうキャラなのは、長年の友達付き合いから分かっていた。
美咲は、かなりの精度で到来する未来をシミュレーションし、どうにか回避せねばと思った。
それから、短い黒髪を指で弄り、モジモジしながら葵に対して安易なお願いを持ちかけようとした。
「……ねえ、葵ちゃん。パンツ」
「貸さないわよ。気持ち悪い」
まだ言いきってもいないのに、即却下された。
葵は帰り用の綺麗な下着を用意しているので、そっちを借りればと思ったのに、早速当てが外れた。
流石に安易すぎた。
だが美咲も、ここで引き下がる訳にはいかなかった。
「昨日、私ね、誕生日だったんだ。葵ちゃん……」
最初のコメントを投稿しよう!