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葵の言葉に、美咲は思わず想像してしまった。
iDの皮膚モニター機能を使えば、自分の皮膚に画像を映し出せるのだ。
たしかにボディペイントに見えない事も無いが、絶対にやりたくない。
「それじゃ変態だよ!」
「あんたなら平気よ」
「何を根拠に!? ううっ、わかった。わかりました。全国に行きますよ!」
言ってから美咲は、ダメだったら母親に買って来てもらおうと思った。
いや、今、メッセージをたったの一本送れば解決するのでは?
美咲がそんな事を考えていると、葵は美咲の表情を見て、まるで心を読んだのでは無いかと言うタイミングで美咲の脇をくすぐり始めた。
「約束したからね」
「はははははははっ、や、やめて、お願いだから!」
おっと、墓穴を掘ったぞと、美咲は気付いた。
全国に行けなかったらノーパンで半日過ごすみたいな、おかしな流れに誘導され始めている。
葵は、くすぐる手を止めずに、ニンマリと人の悪い顔をしていた。
昨日iDを導入したばかりの美咲は、誤作動防止機能の自動ロックをオフにしていないので、視界に浮かぶ画面が固定されてしまう。
葵が確信犯なのは、間違いなかった。
「やめて、やめて、ください……」
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