第一章 光と闇

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 平和な国があった。そこは小さな島国であったが、文明も発展し、食べ物も豊富であった。そして、生活を支える数々の複雑な装置も開発され、人々の暮らしはとても豊かなものだった。  文明が発展していた平和な国の他国との交流は、争いもない良い関係を築いていた。そんな平和な島国、エフティヒアに、甲高い奇跡の泣き声が響き渡る。 「……オギャア!  オギャア!」  こうこうと輝く、光に満ちた赤ん坊の泣き声が。 「見て、とてもかわいい子」  目を細め、幸せそうにほほ笑む女性は、赤ん坊を抱きながら小さくつぶやいた。 「よくやった!  よく頑張った」  小さな赤ん坊を見ながら、一人の男が目に涙をためて喜びの声を上げる。  一組の若い夫婦が、出産を終えたのだ。  あまりの感動に、彼らは気付いていなかった。周りの医者や看護師たちが、赤ん坊を見ながら目を見開いていた事を。  いつもなら、笑顔を浮かべて夫婦に声をかける医者や看護師たちは、驚きのあまり、目を丸くしなら戸惑い気味に口を開いた。 「あ……あの」
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