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目に涙をためた男が、赤ん坊から看護師に視線を移す。
「赤ちゃんさっきまでは普通だったのに…なんだかだんだん……」
呟くように言う彼女の視界には、男の妻と赤ん坊が写っていた。
不思議そうな顔をした男が、また赤ん坊に目線を戻すと、彼は目を丸くした。それはまるで看護師たちが抱えた違和感に、気付いたかのような様子だった。
「あ……」
男の妻が小さく声を上げた。どうやら、彼女も気付いたようだ。
「オギャア! オギャア!」
大きく声を上げるたびに、赤ん坊の体を包み込むような光が、強くなって行った。太陽の光が辺りに降り注ぐように、赤ん坊を中心に光が漂っていたのだ。まるで、その赤ん坊事態が、光っているかのように。
「光る赤ん坊……?」
看護師の一人が小さくつぶやくと、辺りを優しく包み込むような光が、さらに強くなって行った。
「まさか…この子は」
男は震えた声を絞り出す。
辺りを包むほど、赤ん坊から放つ光が大きくなって来た時、辺りにいた人たちは皆、頬を徐々に上へ上げて行った。
「そんな……! まさか!」
口をおさえて言う看護師の一人の顔からも、笑みがあふれている。
妻は満面の笑みを浮かべ、涙を流しながら「この子は……”光の子”だ」と声を震わせながら言った。
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