第1章

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いつからだろう。 失敗続きで色んな事から逃げ続け、気付いたらもう20代中盤だ。 なんでこうなっちまったんだろうな、と思いながらも本当は分かっていて、なにもできずに日々自堕落な生活。 そんな俺こと、恵比須 隆宏(えびす たかひろ)の朝は早い。 「おし、とりあえず野良でadcでもするか」 そう、バイトが休みの日は朝起きてオンラインゲームから始め、一日中やり込み、そして寝る。 外に出る時は一人でクラブに飲みに行くか、友達と遊ぶか、打ちにいく。 そろそろフリーター卒業しねぇとなー、なんて思いつつも性分からくるめんどくさがりな部分が、とりあえず現状維持でもいいか、なんて思ったりして、正真正銘のクズ街道まっしぐらな始末。 とまぁ、そんなこんなでオンラインゲームをしていたときの事。 ピンポーン 「ん?なんだ? はぁ…めんどくさいな。」 丁度ゲームが一通り終えたのもあり、渋々椅子から立ち玄関へと向かう。 (友達からのお誘いだったら金もねえし、体調悪い風を装って断るか…ん?どこぞの黒猫さんか。) 穴を除くとそこには宅配便らしきものを持った男が立っていた。 とりあえず開けて、宅配便を受け取り、部屋へと戻る。 「俺なんも頼んでないけど、まぁいいか。どれどれ…」 開けた瞬間目の前が真っ白になった。
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