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建前の理由は別でも、本音は自分で限界を感じて辞める、そういうパターンがほとんだった。
大学生や主婦、フリーター、と集まるものの最長で1年。
今の所、50代の主婦が1年の頑張りを見せたものの、それ以上は続かないと本音を吐露して辞めていった。
俺はその穴を埋める為に派遣会社から人を送ってもらい、その場限りの繋ぎの人員を確保したりすることも覚えた。
正直、役に立たないことが多い。
役に立つ場合はラッキーなだけで、そういう人間はどこも欲していた。
酷い時は、ローソンのレジは打てないと言われたことがある。
呆れたこともあったが、人がいなければどうしようもないのでその日一日、俺は必死に2人分働いて、その派遣の子には品出しをやってもらった。
いくら分からないとはいえ、品出しなら出来るだろうとなんとかやってもらったのだ。
アルバイトの紙を貼ろうと決意したのは、それがきっかけだ。
そんな繋ぎの人間を頼るより、辞めてもいいから店できちんと働いてくれるアルバイトの人間を育てないといけない。
たとえ三日で辞めると言われても(それはかなり辛いが)、店を分かって動いてくれる人間というのは有難い。
その日も、俺はレジに立っていた。
人手不足だから店長がのうのうと引っ込んでるというわけにもいかない。
ちなみに、夜勤の連中は俺が店長になった時から変わらない大学生数名がいつも頑張ってくれていて、なんとか睡眠は確保していた。
レジを打っているときに電話が鳴って少し焦るものの、取れない電話は鳴らしておくしかないと放っておく。
目の前の客の応対がまずは一番だ。
おつりを渡しても電話は鳴り続けていたので、俺は慌てて子機を取った。
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