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シャルトが魔導を発動させるときの声は穏やかだ。まるで唄っているかのような。
でもそこから放たれる魔導は甘くない、手加減はしてるが一直線に私を狙うしね。
一直線の魔導を使うのはおそらく周りにある木にダメージを与えないためなんだろう、自分で言ったことだ。
「[すべてを凍りつくせ、氷岩]!」
「ふむ、発動しませんね」
「[輝きの力解き放て雷撃]!」
「キトと魔導契約している呪文なのに発動に至らないとは不思議です」
「っはあ…はあ…」
魔導契約しているからこそ唱える度に魔導力を失い、体力が削られていく。
契約=発動となるにもかかわらずこの魔導剣からは少しも発動しない。
「今日はここまでにしましょう。これ以上唱えても心身に負担がかかるだけでプラスにはなりません。[女神の吐息]これで少しは楽になりましたね。寮までお送りしましょうか?」
「いいよ、1人で帰れる」
「分かりました。ではまた」
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