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ああ、なんて純粋な目だろう。
これは本当に、飼って欲しいという目だ。
付き合うとか、恋人として会うとか、そういうことは考えてなさそう。
ただ、そばにいたいと願っている。
・・・あの頃のように。
「本当に・・・犬で、良いの?」
犬が良いの?
それ以上は嫌なの?
なんて、この瞳を前にして言えるわけがない。
おずおずと伺った私に、ヒロトくんはにこっと笑って頷いた。
ゆっくりと、腕を伸ばす。ヒロトくんの手元へ向けて。
やっぱり男の子だと感じる節くれだった指先が近づいた時、私は手のひらを上に向けた。
握られた拳が、ぽん、とそこに乗せられた。
「おいで、ヒロト」
「わんっ」
とても可愛い犬を飼い始めた。
依存症になるのも時間の問題だ。
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