第2章

6/18
前へ
/107ページ
次へ
「なに、焦らしプレイ?」  一ノ瀬の内心を見透かした上で篠がからかうと、一ノ瀬は覚悟を決めたように下着ごと篠の衣服を引き下ろした。現れた篠の分身に微かに息を呑む気配がしたが、一ノ瀬は恐るおそるそこへ指を伸ばす。 「いつも自分でしてるみたいにしてみ?」  お坊ちゃんといえど流石に自慰くらいはしてるよな、と篠は心の内で自問自答して笑った。芯を持ち始めた篠自身を手のひらに包んで、一ノ瀬はゆるゆると扱き始めた。 「……ん、上手」  子供にするように褒めて頭を撫でると、動かす手がスムーズになる。一ノ瀬はもう一方の手を、篠の最奥へとぎこちなく伸ばした。  乾いたそこは一ノ瀬の指を拒むように閉じている。戸惑いながら見上げてくる目に、篠は妖艶に微笑む。 「手、貸して」  言われるままに差し出された手を、篠は体を起こして掴み、そのまま口内に運んだ。 「っ!」  長い指を音を立てて舐めしゃぶり、指の股に舌を這わせると一ノ瀬は息を詰めた。充分に濡らして解放すると、一ノ瀬はその指で篠の秘所を撫でた。 「ゆっくり挿れて、拡げて」  一ノ瀬は命じられた通りに指を侵入させ、内部を拡げるようにぐるりと回した。 「……っ、ぁ」  篠が声を上げると手を止めたが、微かに笑って痛みや苦痛からのものではないことを伝えると動きを再開させた。 「……も、いいよ」 指三本がスムーズに行き来できるようになったところで、篠は声を掛けた。一ノ瀬が指を抜くと、篠は足に絡んでいた衣類を脱いで床に放る。 一ノ瀬は一糸纏わぬ姿になった篠を食い入るように見つめて、こくりと喉を鳴らす。焦れたように自分の下肢を解放し、篠を押し倒した。 「篠さん……いいですか?」  切羽詰った状態だろうに、きちんと伺いを立ててくる男が可愛かった。篠は一ノ瀬の首に腕を回し促してやる。 「……っ、ん、ん、……ぁ」  ゆっくりと押し入ってきた猛った雄に、篠は甘えた声を出し、男の背に爪を立てる。 「……篠さん」  一ノ瀬は荒い息の合間に篠の名を呼び、何度も己の欲望を篠の中へと打ちつけた。
/107ページ

最初のコメントを投稿しよう!

2048人が本棚に入れています
本棚に追加