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2月15日
隣のクラスの男子に呼び出されたのは、バレンタインディ翌日の昼休みだった。その男子は、教室で私を呼び出すと「ここじゃちょっと、、、」と言い、体育館の裏に移動することにした。私はその男子の名前を知らない。その男子が廊下を歩く後ろを、少し間をあけてついていった。少し足早に歩く彼の後ろをついていきながら、ほぼ初対面の二人は交わす会話もなく、間もなく、二人は体育館の裏に着いた。
「急に、こんなところまで来てもらってごめんね。」
彼は申し訳なさそうにそう言った。柔らかそうな茶色いふわふわした癖っぽい毛、私の真っ直ぐな黒髪と比べると同じ頭髪とは思えなかった。おどおどしていて目を潤ませているのは、怯えなのか。自分と全く違う性質をもつ生き物が、目の前で何かをしようとしている、そんな気持ちに私も少し緊張していた。まさかとは思うが、海外のバレンタインディは男性から、というのを耳にしたことがある。
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