手探りの希望

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手探りの希望

コンビニ店長の夜は遅い。 客が一人もいない店内で棚卸作業を進めながら、俺は大口を開けてあくびをした。 左側の壁に吊り下げられている時計を見ると、時刻は深夜1時を回ったところだった。 再び目に涙を浮かべながらあくびをする俺を注意する者はいない。 このコンビニ内に存在する人間は、俺一人だった。 スタッフの主婦層が厚いこの店では、早朝から夕方まではシフトがいっぱいだが夜の時間帯はほとんどすっからかんだ。 よって、店長である俺はほとんど毎日深夜の店番を余儀なくされていた。 「まあ、楽だからいいんだけどさ……」 ひとりごちながら、俺はカゴに積まれたチョコクロワッサンを適当に陳列棚に置いていった。 そんな時、店のドアについているベルが嬉しそうに俺に来客を告げてきた。
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