手探りの希望

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回り込んだ陳列棚の隙間からでも、男の子の様子は見えた。 俺の姿が見えなくなってからも彼はおずおずと周囲の様子を窺っていた。 よく見ると、彼の着ている服は明らかにサイズが合っていなかった。 上下ともにぶかぶかで、Tシャツからは指先しか出ておらず、ズボンは何度か裾が折りたたまれているようだった。 男の子の成長を考えて、親が大きめのサイズの服を与えているのだろうか。 そこまで考えて、それにしても親は遅いな、と気づいた。 駐車しているだけならば、そろそろ店内に入ってきてもいいくらいには男の子が来店してから時間が経っていた。 電話でもしているのだろうかと考えながら、俺はそばにあったカゴの中からポテトチップスの袋をつかみ、無造作に棚に突っ込もうとした。 その時、目の前の棚の隙間から見えた光景に、俺は反射的に手を止めた。 男の子が、おにぎりをポケットの中におそるおそる入れていた。
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