手探りの希望

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今度は口の中で舌打ちをして、俺は男の子に駆け寄った。 ポケットに手を入れたまま、音を立てないようにドアに向かっていた彼は、俺の姿を見て震えあがり、そしてゆっくりと後ずさった。 「ちょっと」 男の子に呼びかけて彼がポケットに入れている方の手をつかんだ瞬間、俺は思わず固まってしまった。 俺の手に伝わる彼の腕の感触は、骨の硬さそのものだった。 サイズの大きい服を着ているため見た目からはわからないが、おそらく彼の腕は骨に皮がはりついているだけの状態だろう。 そして、俺がつかんだことによってちらりと見えた手首には、青あざが顔を覗かせていた。 はっとして彼の顔を見ると、男の子は真っ青になり、目に涙を溜めてがたがたと震え始めた。 「ご、ごめんなさい。ごめんなさい。返すから、謝るから、許して。殴らないで」 しゃくりあげ、つかまれていない方の腕で目を乱暴にこすりながら、彼は途切れ途切れに訴えた。 手を上にやったことで露になった手首には、くっきりと指の形をしたあざができていた。 そのあざは、子どもの指の形にしては太く、長すぎた。 「君――」 彼の腕から手を離し、俺は彼に問いかけようとした。 「ごめんなさい、その子うちの子なんです」
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