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フラッグは慌ててその言葉に付け加えた。
「といっても、二人が幸せになれるように設定しといたから安心はしていい」
どういう安心だよと灯里は心の中でツッコミながら聞いていた。
意外と冷静な灯里に対してまだイマイチ話がわかってないのか顔をしかめながら二人の神を何度も交互に見つめる紗月の姿があった。
そんな紗月のためにレイリッグがどういった世界で人生を送るのか説明し始めた。
「二人にはエルフや魔族と人間が行き交う世界に行ってもらうよ」
灯里は魔族という言葉とエルフという単語に目を見開きながら顔を前につきだした。
紗月もゲームの世界のような場所に行くとは思ってもいなかったのかレイリッグの顔を二度見した。
「ただ、危ないのは魔物がウジャウジャいるような世界に連れて行くということだ」
二人はフラッグのその言葉を聞いて眉間にシワを寄せながら手を繋ぎ後ろに下がる態勢を整えた。
レイリッグは慌ててフラッグの言葉を訂正した。
「まあ、でも、大丈夫。二人にはあるスキルと装備を授けるからさ!それがあれば魔物に襲われても戦えるはずだよ!」
二人は静かに暮らしたいと思っていたのかもっと眉間にシワを寄せながら後ろに徐々にひいていった。
その二人の姿を見たフラッグは顔に手を当てて大きくため息をつきそれ以上下がらせないようにボードを強く叩いた。
二人は大きな音に体をビクつかせたことにより後退していた足が止まった。
「最後まで聞け。魔物を倒さないと静かに暮らすこともできないんだぞ。今、邪神が作り出したその世界で魔物たちが暴れまわっているんだ。俺たち神はそれをどうにかして止めたいと思っている」
「だからね、神の力を授けるから魔物を倒し邪神の彼を倒して欲しいんだよ」
それが彼らの本音なのだろう。
嘘をついてるようには見えないのか二人はひそひそ話をしており数分後レイリッグとフラッグに向き直った。
「わかった、話は信じるよ。でも、襲われたら怪我だってするよね?」
灯里は戦うのは苦手でそういったゲームは元の世界ではしてこなかったため本当に安心なのかそこだけは信じきれていなかった。
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