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それは紗月も一緒で灯里の背中にしがみつくような形で顔をそっと出して見つめている。
「そうだね、だからこその僕たちが授ける装備が役立つと思うよ」
装備と聞いて二人は顔を合わせた。
神が授ける装備なのだからすごいものなのだろうがどういうものかまだ分かっていなかった。
「まあ、装備とスキルに関してはあっちについてから確認してくれ。くれぐれも、邪神には気をつけるように。俺たちはいつでも二人のそばにいるから何かあったらすぐに駆けつける」
それを聞いて渋々二人は頷いた。
ホッとひと安心したのかレイリッグとフラッグは紗月と灯里を自分の方へと手招きして呼び寄せた。
「じゃあ、二人にこれを渡すね。紗月ちゃんは光のブレスを」
「灯里は闇のブレスをつけるんだ」
二人は受け取ったブレスを腕につけながらまじまじと見つめた。
レイリッグたちはこれはアイテムボックスにもなったりステータスを確認するのにも役に立ち、時間を知りたい時にも役に立つものだと教えてくれたのだ。
二人は頷きながらブレスをジッと見つめていた。
「じゃあ、目を瞑れスキルを与えてやる…・…。二人共3つのスキルを使って世界を変えるんだ」
「それが君たちの第二の人生。楽しんで生きてね。きっと君たちに幸せが訪れるはずだから」
そう言って二人は灯里たちの目の前に扉を出現させたのだ。
そして彼らは願いを大きな声で言い放った。
「頼んだよ!君たちの行動で世界が救われるのだから!」
「頼んだぞ、あいつを倒してくれ!」
そして扉を開き二人の背中を押して外に飛び出させた。
灯里と紗月は手を繋ぎながら扉の向こうへと足を運んだのだった。
だが、この記憶が全て書き換えられたものだとも知らずに二人はそのことを思い出していたのだ。
そんな二人を異世界に送ったあとレイリッグとフラッグはフードを取って扉の向こうを見つめていた。
「大丈夫だよね……、きっと彼女たちが何とかしてくれる」
「ああ、大丈夫さ、あいつらなら奴を倒してくれるさ」
そう、ぼそっと呟きながら手を目の前で拝むように組んで願っていたのだった。
だがこの記憶は神の力によって書き換えられたものだった。
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