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灯里が次に目を覚ました場所は、心地よい風が吹く小高い丘の上で大の字になりながら横になっていた。
隣には親友の紗月の姿があった。
紗月は体を丸めて小さく眠っていたので強く揺すらないようにしてそっと体に触れて小刻みに振った。
するとゆっくりと目を開けて体を起こしながら辺りを見回した。
すぐに体を起こすものだから灯里のおでこに頭をぶつけてしまう。
「いったー!!」
おでこを抑えながらも転がるように芝生の上で体を横にさせて揺すりだした。
紗月も頭を押さえるがまさかそこまで痛くしていたとは思いもしなかったのかじっと灯里の転がる姿を見つめていた。
灯里はその視線に気付いたのか体を起こしてうつむき加減で相手の裾を掴んだ。
「やりすぎました……」
「うん、だね。今のは大げさすぎだね」
一通りのネタのようなものをやり終えたのか二人は落ち着いてなぜここにいるのかを思い出した。
その記憶の中には暗闇の中で話しかけてきた男性二人の顔が脳内に浮かび上がってきたのだ。
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