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すると苦笑いしてるのか肩をすくめながら光の神が答えた。
「そんな本物?みたいな顔しないでよ。僕のことはレイリッグって呼んでくれる?で、あっちの黒いのが」
「黒いのとか言うな。俺はフラッグだ。気軽にフラッグって呼んでくれ。何かあれば飛んでいくように言われている」
何かあったらって何があるんだろうと二人は思いつつも二人の言葉に頷くことしかできなかった。
苦笑いするかのように二人は顔を見合わせてから二人に向き直った。
「というか、君たちには悪いけど元の世界には戻れないとしか言えないんだ」
レイリッグのその言葉を聞いて灯里は立ち上がった。
家には大好きなペットのムクや家族がいるのにと頭の中で思い出そうとするが、顔や背景などぼやけて浮かんでこなかったのだ。
そのことに関してもレイリッグは頭を下げてきた。
「ごめん!君たちの記憶を少し書き換えてもらったんだ。だから、元の世界のことはほとんど思い出せないようになってるかな」
それを聞いて眉を下げ困りはてたような顔をする灯里の姿があった。
そのまま座り込んで紗月の胸に体をあずけた。
紗月も俯きながら拳を強く握っていた。
「元の世界ではもう二人は死んだことになってるんだ。だから、忘れろとは言わないが次の人生を楽しんでほしい」
「まあ、楽しめる世界ではないとは思うけど……」
フラッグも頭を下げながら謝ってくるが、レイリッグの言葉を聞いて二人は危ない場所で生きることになるんではないかと不安な気持ちになりながら抱き合っていた。
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