神話の真相

2/6
前へ
/6ページ
次へ
フルートの様な澄んな声の 渡り鳥がおりました。 風の噂に好奇心そそられて、 悪魔を封印した島へと、 空路を変えて飛んで行く。 この島は、人族が治める諸国があり、 そこで暴れた悪魔を白の塔に封じたと 言うが知る者はなし。 人族の寿命は短く、国は滅び、 無人島にぽつんと古城だけ。 いつしか人の声もなく、 獣や鳥の声だけが響く。 本当にちっぽけなひ弱な人族が、 狂暴な悪魔を封じれたのか? 渡り鳥は真実が知りたかった。 封じたのが本当なら居るはず! 古城から生まれた創作か否を 渡り鳥は見たいと思った。 万が一悪魔が居たら大変と 友達の科学者鳥が止めたが、 渡り鳥は真っ直ぐ島を目指す。 海上にぽつんと小島が見える。 高度を下げると、島の中心に古城だけ ある不思議な景色。 長い年月で街は風化し姿を消し、 唯一残って居る古城。 島一周が10キロ程の小島に、 似合わないかつて立派だった城が 崩壊せず残って居るだけで奇跡。 「お城あるなら、悪魔もいるかも??」 独り言を呟きつつ、古城の上を旋回して 見る。 城を守る様に三本の塔がある。 塔に封印されたのが真実なら、 どれかに居る筈と目を凝らす。 西の塔にも東の塔にも居ない。 一番高い北の塔へ向かう。 屋根もなく円柱の底に青が見えた気がする。 白亜色の石造りに深海の様な青が見える。 渡り鳥は、その青が綺麗だと思った。 塔の天辺に舞い降りて、 そこ目掛けて叫びました。 「悪魔さんいますかー??」 澄んだ声が反響してこだまの様に響くが反応がない。
/6ページ

最初のコメントを投稿しよう!

0人が本棚に入れています
本棚に追加