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見間違いだろうか?
青く光る何かあるのか?
渡り鳥は首を傾げどうしたものか考える。
羽根が邪魔して上からでは、
塔の中に入れそうにない。
青い輝きが何か知りたい。
渡り鳥は塔の下へ降り立ち、
塔の入り口を探して見る。
人族が造ったならある筈だ。
彼等に羽根も強靭な力もない。
塔の周りを歩き続けて、
扉を見つけた。
鎖でぐるぐる巻きにされ、
大きな錠前もついている。
中に危険な何かいるって、
教えてくれてるみたい。
扉の向こうに何があるのか?
ドキドキが止まらない渡り鳥。
鎖と錠前共に老朽化してたので、
触るだけでボロボロと崩れた。
観音開きの大きな扉を勢いよく
開けた先には人影が見える。
薄闇に目が慣れてきたら、
光沢ある青い髪
耳は尖りツノが左右に生えてる。
神話は本当だった。
塔の中に悪魔がいるのだから。
両膝を抱え、うな垂れたまま、
全く動かない悪魔。
眠っているのか死んでいるのか
分からない。
「生きてますか?」
鋭く尖った声音で叫ぶ。
さっき無視されたのが気に食わず、
すね気味の渡り鳥。
ムクッと首を上げ、見開いた
瞳は炎の如し紅蓮。
眼光鋭く、射抜く様に睨む。
ビシビシと殺気立った気に満ちる。
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