第1章 ミヤコ

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「ごめんね、お風呂は一人がいいの」 「そうなの?もしかして、照れてる?」 「違います」 「わかったわかった、じゃあ先入っていいよ」 「…入ってこないでね」 「どうかな」 そういうの、いらない。 「怖い顔しないでよ、わかったよ」 入ってきたら、タクシー呼んで帰ろう。 そこまで一緒に入りたくない理由は…これといってないけど。 もし剃り残しあったら処理できないし、あの密室で裸で二人って、よく分からないけど我慢できない。 …閉所恐怖症ではないと思うのだけど。 「一緒にお風呂はいるの好き」 なんて友達が男女限らず多くいるけど、やっぱり納得できない。 風呂は最終チェックの場だし、1人になれる場所。 禁断のテリトリーなんだから! と、念入りに鍵をかけて浴室に入る。 微妙に透けてる窓がこざかしい。
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