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「ミヤちゃん」
お風呂から上がった彼が飛びついてきた。
同じシャンプーの匂い。同じボディーソープの匂い。
今日は、今日だけは、あなたと一緒の体になるんだね。
「なぁに」
「…かわいい」
私は嬉しそうに、照れたように笑う。
実際そんな言葉、星の数ほど言われてきたし、今更嬉しくないし照れもしない。
「うそ…」
「ほんとに、まじで、かわいい」
「ありがとう…」
言ってやったぜ、いぇーい、これで君は俺にムチュウ…
なんて顔が見え見え。
その後すぐのキスも見え見え。
私もなんだか気持ち良さそうな顔しちゃってさ。
ミヤコ、演技上手になったね。
おかしいな、キュンてしたのに
全然濡れないの。気持ちが。
彼に触られてるのになぁ。
「めっちゃ濡れてる」
そりゃそんだけ中いじられたら出るもん出ますわ。
「やめてよ」
「やめない」
優しく、なんて嘘じゃない。
色々な体位、好き勝手にやっちゃってくれてさ。
えぇ?好きだよ、こういうの。
ミヤコはドMだからね。
でもさっきから、彼とやってるのはミヤコであって
ミヤコじゃない。
私には当事者意識ってやつがない。
だからかな、冷静なの。
こんだけ色々考えられる暇があるの。
「気持ちいい?」
「…言いたくないっ…」
「言ってよ…感じてるミヤコが見たい」
更に激しく腰を揺らす彼。
…入ってる???
これ、さっきから思ったけど、入ってる????
「気持ちいぃ…」
ミヤコって嘘ばっかり。
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