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呼吸が落ち着き、アンドリューはリリナから身体を離す。
「確か、庭を案内してくれるはずじゃなかったかしら」
「これも庭を案内の一環だよ」
アンドリューの返事に、リリナは笑うとガウンを手に取る。そして全裸のアンドリューを見て話した。
「ドリューが全裸なのが、いけないのよ」
「何故だろう。ガウンを着たくない気分なんだ。裸の方が此処のエネルギーを感じる。そう思わないか。目を閉じてリリナもエネルギーを感じてごらん」
アンドリューに言われリリナは、目を閉じた。
風がリリナの肌を撫でる。
その風は植物の葉や花も撫でる。
温泉から熱気が伝わってくる。
羽音が聞こえ、庭園に鳥がいるのに気づいた。
リリナは暫くして目を開き、改めて庭を眺める。
「鳥がいるなんて気付かなかったわ。それに温泉からの熱気も。暖かい空気が温泉から感じるわ」
「自然と一体化した気分になると思わないか」
アンドリューが生き生きと話した。
そんなアンドリューを見て、リリナは微笑んだ。
「ええ、だからと言って。庭園の至る所で肌を重ねても良いのかしら」
「勿論、良いに決まってる。何故なら、此処は妖精王と乙女の逢瀬の場所なのだから」
そう話すとアンドリューは、周囲を見渡した。
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