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「想像してごらん。妖精王と乙女が、この庭園の至る所で肌を重ねたと」 その言葉に、リリナはアンドリューと同じ様に辺りを見る。 「基本的に、此処の植物は昔に植えられたそのままを手入れしているそうだ。この通路や温泉の周囲を歩き易く、なだらかにしたり坂道を階段にと整備はしたが、植物の植え替えの記録は殆ど無いんだ」 アンドリューは二人が肌を重ねた椅子を叩く。 それは石で出来ていて、ブランケットが掛けられている。 「この椅子も、昔から此処にある。妖精王と乙女の寝椅子だったのではと言われているんだ。それか、温泉に治療に来た戦士が此処で横になったのか」 「そんな昔から、この場所に」 リリナは、そんな神聖な場所にアンドリューと来れた幸せを噛み締めた。 「という訳で、次の場所に行こうか。そこも妖精王と乙女の逢瀬の場所の一つと言われている。大きな石があって」 「戦士達の休憩所かもしれないのでしょう」 リリナが、クスクス笑う。 「よし、それなら。戦士達が使ったかどうか確かめてみよう」 「もう、ドリューったら」 リリナが、また笑う。それに吊られてアンドリューも笑った。 結局、二人は生まれたままの姿で次の場所に歩き出した。 そして、お互いの欲望の赴くままに愛し合った。
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