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この地に平和が訪れた。 伴侶(はんりょ)が決まった子供達に妖精王から花が贈られた。 祝福の契約の証にと。 この花が漆黒に変わる時、妖精王との契約は終わるだろう。そう伝えるよう妖精王は私に言った。 子供達の手には、真紅の花が咲く花の苗。 それらを、これから住まう場所に植えるという。 代々受け継がれる事を願い、私は花を手渡した。 その後、国の名を子供達と決めた。 初めは、オルブライトとの意見もあったが乱世の時代の我が家の姓を国名にするのは躊躇(ためら)われた。 そこで、オルブライトは王となる長子が受け継ぐ事に決めた。 バクスタブル家と婚姻が決まった長子は、オルブライト・バクスタブルと家名を名乗る事にした。 公爵となる次子達も、婚姻相手の姓を名乗る事に決め、オルブライトの名は王家の姓に残る事になった。 国名も子供達とその伴侶が相談して決めた。 フェアリナルと。 妖精王の加護を受けし国、フェアリナル。 誕生したばかりの国、フェアリナルに祝福が受け継がれる事を願う。 ~回顧録・抜粋~
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