〇二日目

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「やった!」  彼女のその声に僕は我に返った。  無意識のうちに彼女が目当てだったひまわりの人形をとっていた。その人形を大事そうに彼女は抱えている。 「ありがとう」  気がついたら、僕の心の声がこぼれていた。 「死なないよね?」  抱えていた人形が彼女の手から滑り落ちる。その落ちた人形を拾い上げ、彼女は息を吐いた。 「急に変なこと言わないでよ。どういうつもりなの。動揺させようとでもしているの?」  彼女の声はいつもどおりだった。でも、とてつもなく僕の中で嫌な予感がしたのだ。 「ごめんなさい。変なこと聞いちゃったね。でも、何か辛いことがあったら、隠さないで僕に言ってね」  今更償いのつもりなのかと、自分自身に呆れた。それでも、もうあんな思いはしたくない。勘違いでも何でも、やらないよりやったほうが絶対的に良いはずだ。 「あまり詮索する男は好きじゃないわね」  彼女はそう言って、踵を返す。  何を持って人は、安心するのだろうか。けして、大丈夫だという言葉だけでは安心することはない。彼女がどこへと行ってしまうようなそんな漠然とした感覚だけが僕に残る。
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