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黄色一色のひまわり畑に僕は佇んでいた。
夏の生ぬるい風が僕の肌に触れる。じわりと汗が額に滲む。脱力した右手に力を入れ、額の汗を拭う。
首からぶら下げているカメラを手に取り、ひまわり畑に向ける。思えば、あの時もこうやってカメラを構えていた。自然にカメラを握る手が震える。
どれだけ僕の生き方がちっぽけだったのか思い知った。僕にとってここ数日の景色は、このカメラのファインダーから覗く景色と一緒だった。
風に揺れる黄色がときどき太陽の光を反射させ、まるで光り輝いているように映る。
カメラのシャッターを切る。
僕は大きく息を吐き、カメラから手を離す。同じ場所で同じように撮っても、あの時のような高揚感はない。
ポケットから、一枚の写真を取り出す。
そこには、黄色一色のひまわり畑に、黒髪で白いワンピースを着た女性が映っていた。思わず力が入り、写真はくしゃりと歪んだ。
また、この景色を見るためにここに来たんだ。
止まった足を動かし出すために。
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