日常にあった短編集みたいなもの

ATM

その日は朝から何も食べていなかったので酷くお腹が空いていた。
冷蔵庫の中には調味料しかなく、お菓子もないし、即席麺もない。
仕方ないのでうるさいお腹に喝を入れて外に出る。
財布の中にしまってある家の鍵を取り出すときに残金を確認する。
ここしばらく忙しくてお金を使いすぎて小銭が寂しく残っていて、お札の代わりにレシートが溜まっているだけだった。
仕方ないのでATMが設置されているスーパーで買い物を済ませることに決めた。
自転車で5分もかからずに着いた。
お昼前だからか駐輪場にはいっぱい自転車が置いてある。
せっかく見つけた空いたスペースもすごい速さで自転車に乗ったおじいさんに取られてしまったので仕方なく、少し入口から遠目に停めた。