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「オイ、もうそろそろ昼休み終わるぞ」
屋内へ続く扉が開き、そこから恭介が屋上に出てきた。
「あれ? 恭介君どうしてここに?」
「下でお前が騒ぎを起こしたって聞いて、心配になったから探しに来たんだよ」
「やだっ、恭介君たら優しい」
面倒臭そうに頭を掻いている恭介の下へ、飼い主を見つけた子犬のように喜びを露わにした琴乃が歩きだそうとする。しかし、その腕を何故か瞬が掴んで止めた。
「ん? どうしたの?」
琴乃が瞬を見る。だが、瞬の視線は琴乃ではなく、恭介の方を向いていた。
「恭介先輩……申し訳ないのですが、この前の告白、なかったことにしてください」
真剣な顔をした瞬が、予想だにしない台詞を吐き出したことに琴乃は瞠目する。
「こ、小林君っ? それどういう……」
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