2人が本棚に入れています
本棚に追加
ぼくは、目を覚ますと川辺に居た。
さっきのは夢だったのか? それともここが三途の川とやらなのか……?
突然、川が盛り上がり、謎の巨体が現れた。波やしぶきでよく見えなかったが、徐々に像を結んでいく。
ああ、これこそは……!
「大弁財天女……!」
彼女は、大きな大きなうんこの形をしていた。母のように優しく朗らかに、父のように雄大で猛々しく。
これぞ神の極点。美の結晶。ありとあらゆるものが嫉妬する、最上の存在。
大弁財天女は、ぼくの頭に直接話しかけてきた。神である以上、会話などという稚拙な行為に頼る必要もないのだろう。
そしてぼくは、全てを知らされた。
宇宙が誕生した理由。世界の真実。人間の存在意義。
だが、それらがトイレに流し忘れた大便並にくだらないと思えるほど、素晴らしき話を聞かされた。
神に殉じたこのぼくが、その行為を讃えられて召し上げられることになったというのだ。身に余る光栄だが、神の末席を汚しはしないかと不安だ。
大弁財天女は、ぼくが神の位に召し上げられた証拠として、天を指し示した。
最初のコメントを投稿しよう!