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無気力は感染力が極めて強い伝染病だ。私は勢力最大の病原体だった。
私に近づく人はほとんどいない。だからこんな性格でもいじめられたことはない。友達なんてひとりもいないし、欲しいと思ったこともない。友達がいれば話さなければいけないからだ。
「友達」言い換えれば「話し相手」。話すことが何より嫌いな私に、話をすることが目的で付き合う対象なんかいらなかった。
まだ入学して3日目のこのクラスでも、既に私は「友達のいない人」という位置づけを獲得している。
女子独特の価値基準。周りを放っておいた結果、私の価値はマイナス値を記録している。その最たるものは社交性だ。
不思議なもので、常に周りにいる人数がその人の社交性と比例することを、女の子は理性ではなく感覚で知っている。私の周りにいる人数はゼロだ。それどころか避けられている。ゼロを振り切ってマイナスに到達するのも当然だ。
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