2513人が本棚に入れています
本棚に追加
私は柳井さんと向き合って、目を丸くした。
さすが、できる女。
同じ時期に、契約社員で入ってきたのに、もう正社員の話が出てるんだ。
「一緒に、正社員になれればいいですね。」
「いやあ。私は……」
直観だけど、そんな話ではないような気がする。
「いいなぁ。私も、呼ばれたい。」
髪をいじりながら、そう呟いたのは、可愛い子代表の市来さん。
「その内、市来さんもそう言う話、出るんじゃないですか?」
私は、さり気なくフォローを入れた。
「本当?」
睫毛バツバツの目でそう訴えられても、たぶんとしか、答えられない。
「じゃあ、行ってきます。」
「行ってらっしゃーい。」
二人の同期に見守られ、私は同じ階にある会議室へ、直行した。
ちょっとドアを開け、中をそっと見ると、人事部部長と、もう一人課長らしき人、二人で正面に座っていた。
「失礼します。」
「はい、どうぞ。」
最初のコメントを投稿しよう!