第1話 突然の坂道

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次の日のお弁当から、パンと牛乳にした。 「あれ?お弁当は?」 「はははっ。実は、ダイエット始めて。」 柳井さんは”そうなんだ”と、いつもの豪勢なお弁当を広げた。 「じゃあ、私はお昼行ってきまーす。」 市来さんは、実家暮らしのせいか、いつも外に食べに行っている。 それも、ランチセットを食べ回っていると言う、羨ましい生活だ。 そして肝心の私は、100円のパンと85円の牛乳小さな牛乳パック。 お弁当を作るにしても、食費がかかる。 だとしたら、栄養そっちのけで、安価な物に手を出すしか、方法はないのだ。 夕食も、毎日毎日買いに行っていたら、余計なモノを買ってしまうから、一週間分まとめて買いに行く。 1日300円として2100円。 うーん、かなりの節約だ。 「水久保さん?」 「はい?」 柳井さんが、こっちを見ながら、呆れている。 「パン一口に、どれくらい噛む気なの?」
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