第1話 突然の坂道

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「えっ?」 見ると、柳井さんはお弁当を食べ終わって、既に片付け始めている。 後ろの席の男性陣も、お弁当を食べ終わって、喫煙室に行こうとしている。 方や私は、お昼の時間になってから、15分も経つと言うのに、パン二口しか食べていない。 「ダイエットには、ゆっくり食べるのがいいって言うけれど、少々やりすぎじゃない?」 柳井さんに言われ、それから高速でパンを頬張った。 これからの生活は、会社では忘れよう。 うん。 「大変よね。」 柳井さんが、急に私を哀れんだ表情で見て来た。 「でも、大丈夫よ。水久保さんなら、直ぐにいい会社、見つかるわよ。」 「そう……ですかね。」 あまり哀れんで欲しくはないけれど、一応励ましてくれているのかなと、思いこんでみる。 「私がさ、正社員になれたのは、半分ダメだと思われてるから。」 「……えっ?」
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