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「大体ね、市来さんはいつも、たるんでるのよ。水久保さんを、少しは見習ったらどうなの?」
私を見習う!
柳井さん、さっきの言葉はウソじゃなかったんだ!
私は心の中で、手を合わせ嬉しで、胸がいっぱいになった。
「そんな事言ったって、真面目に仕事してればいいってもんじゃないないじゃない。現に水久保さん、契約切られ……」
「ちょっと!」
二人が私を見て、”しまった!”って顔をしている。
私の中で、嬉しさがだんだん、しぼんでいく。
真面目に仕事しているだけ。
それが、私の周りからの評価。
そうか。
だから、人事部の部長も、私の契約を切ったんだね。
「あの、水久保さん?」
市来さんが、私の顔を覗く。
「大丈夫?」
柳井さんも、私の顔を覗く。
私の顔はと言うと、鏡は見てないがたぶん、ものすごく引きつっていると思う。
「水久保さん、元気出して!真面目は長所だよ!」
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