第1話 突然の坂道

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「そうそう!真面目に仕事していれば、なんとかなるんだから!」 二人から、真面目真面目と連呼されると、私にはそれしかないと、刷り込まれているような気がする。 「う、うん。私、が、頑張るね。」 二人は、ようやくほっとした顔をして、自分達の仕事を始めた。 その時だった。 「水久保さん?」 課長に、ふいに呼ばれた。 「はい。」 やだなぁ。 この前の一件があってから、課長に呼ばれると、何かあったんじゃないかって、思っちゃう。 その勘は、思わず的中。 「ここ、間違ってるんだけど。」 「えっ!?」 「しかも、この表使ってるから、その下の計算、全部間違ってる。」 「ひぇっ!」 「全部やり直し。」 「す、すみませ~ん!」 がっかりしながら、午前中提出した資料を、もう一度受け取った。 「どうしたの?こんな凡ミス。真面目だけが取り柄なんだから、しっかりしろよ。」
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