2516人が本棚に入れています
本棚に追加
/24ページ
「は……は、はい。」
ここでも、真面目だけが取り柄って言われた。
もう、立ち直れない。
私は、がっくり肩を落としながら、自分の席に戻った。
今まで自分が真面目だなんて、思った事なかった。
一生けん命に仕事をして、それが評価されてるだけだと思っていた。
それが、真面目”だけ”なんて、言われるなんて~!
無意識に、私は自分の机に、倒れ込んだ。
「ど、どうしたの?水久保さん!」
柳井さんが、私の体を揺らす。
「わっ!水久保さんが、倒れてる!」
市来さんも、隣で驚いている。
「放っておいてください。ちょっと、立ち直れません。」
目を瞑ると、今までの人生が、走馬灯のように流れて行く。
勉強を頑張ったのも、いい大学に入ったのも、なかなか就職が決まらなかったのも、ブラック企業で体を壊したのも、全部私が真面目だから?
真面目が憎い。
こんなにも、真面目と言う言葉が嫌いになった事は、なかった。
最初のコメントを投稿しよう!