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いつの間にか、スマートフォンを持つ手が震えている。
『で?どうしたの?こんな夜に。』
「う、うん。あのね、お母さん。」
何から話したらいいのか、頭の中が混ぜこぜになってきた。
こんなの初めてだ。
『どうしたの?言いたい事があるなら、言いなさい。』
「うん……えーっと……」
これから無職になる事を言うって、こんなにも言いづらいなんて。
「実は……」
でも、言わなきゃ!
これからの、生活の為に!
「……仕事、クビになって、新年早々無職になるんだよね。」
『えっ!!』
静まり返った空気が、電話を通しても伝わってくる。
『どうして、そんな事になったの。』
「分からない。たぶん、会社の都合。」
電話の奥から、母親のため息が聞こえてくる。
ため息なら、こっちがつきたいくらいだわ!
『それで?就職活動はしてるの?』
「これから。」
『そう。なるべく正社員でお願いするわよ。』
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