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「うっ…うん。」
いきなりハードル上げましたか。
『こんな事言うのも、なんだけど。今、派遣社員だとか、契約社員とか流行ってるでしょう?』
「うん。」
流行っていると言うか、時代の流れと言うか。
そして、私も今契約社員だ。
『あんたが正社員だって言ったら、すごいって言われてね。さすが有名大学を卒業した人は違うわって、お母さんちょっとした自慢だったのよ。』
「あ、ああ……そう、なんだ。」
勝手にそんな話、しないでほしい。
『だから、正社員じゃないって分かったら、お母さんも恥かくからね。気合いれて、就職活動しなさいよ。』
「……はぁ。」
電話はその後切れたけれど、代わりに相当なプレッシャーが、私の肩に圧し掛かった。
あーあ。
親の自慢の為に正社員になるって、私、何の為に働くんだろう。
そしてまた、私はため息をついた。
なんでこうなっちゃったんだろう。
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