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偏差値だって、悪くはない。
「業績もいいみたいだし。君みたいな優秀な方は、うちの契約社員に甘んじるようなタイプじゃ、ないんじゃないかな。」
「だったら、契約社員じゃなくて、正社員にしてくれても!」
そう言った途端、私は部長の目線に気づいた。
部長は、もう私の履歴書を見ていない。
他の人の履歴書を見ている。
つまりは、決定事項。
私に相談の余地は、無しって事。
後は、そっちで気持ちの区切りを、つけてくれって事なのだ。
「分かりました。」
「本当に、申し訳ないね。」
「いえ。」
私は下を向いて、部長の顔を見れなかった。
「君は、しっかりしてるし、頑張り屋さんだって、所属の課長から聞いてるよ。今後も頑張って。」
「……はい。」
返事はするしかないけれど、有難うは言えなかった。
励まされて、お礼の言葉を言えなかったのは、人生で初だ。
「ここまでで、何か質問は?」
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