第1話 突然の坂道

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私は柳井さんと向き合って、目を丸くした。 さすが、できる女。 同じ時期に、契約社員で入ってきたのに、もう正社員の話が出てるんだ。 「一緒に、正社員になれればいいですね。」 「いやあ。私は……」 直観だけど、そんな話ではないような気がする。 「いいなぁ。私も、呼ばれたい。」 髪をいじりながら、そう呟いたのは、可愛い子代表の市来さん。 「その内、市来さんもそう言う話、出るんじゃないですか?」 私は、さり気なくフォローを入れた。 「本当?」 睫毛バツバツの目でそう訴えられても、たぶんとしか、答えられない。 「じゃあ、行ってきます。」 「行ってらっしゃーい。」 二人の同期に見守られ、私は同じ階にある会議室へ、直行した。 ちょっとドアを開け、中をそっと見ると、人事部部長と、もう一人課長らしき人、二人で正面に座っていた。 「失礼します。」 「はい、どうぞ。」
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