恋をするために

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 私の首を絞める、骨ばった大きな掌。  歯を食いしばり、顔を怒りで真っ赤にし、それでもどこか泣きそうな顔。  触れた掌のあたたかさ。  私を正面から見つめる、その顔。  それが、好きだと思った。愛おしいと思った。  恋に落ちたその瞬間に、私の意識も落ちて、命も消えた。
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