セカンド・ラブ

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「母さん、今日は昼から高校の友だちと会うから、夕飯いらないや」  今日は土曜日。私も久しぶりに一日オフだ。 「じゃあ、一日のんびり過ごそっかな」  とは言っても、洗濯、掃除、買い物と、しなければいけないことは山程ある。  そんなこんなをしていると午前中なんてあっという間に終わり、もうお昼をとっくに過ぎていた。  陸都は適当に昼食を済ませ、出掛けていった。  私も軽く済ませ、ホッと一息ついた。  雑誌を読みながら、いつの間にかうとうととしてしまっていて、時計を見ると針は15時を指そうとしていた。  今日はもういいや、本当にのんびりダラダラしてやれ、と伸びをした時、ドアホンが鳴った。  こんな土曜の昼間に誰が来るのよ、どうせ新聞の勧誘か何かでしょ、と思いながらそっとドアホンのモニターを確認すると、そこには東山くんが立っていた。  そのまま玄関を開けると、「一緒に食べません?」と小箱を上に掲げて東山くんが微笑んだ。 「あ、陸都と約束してた?今日は高校の友だちと会うからって出掛けて居ないんだよ」  突然の訪問にビックリしたけど、もしかしたら陸都と約束していたのかも知れないと思った。  そんな、陸都がダブルブッキングなんてするはずないんだけど。  高鳴りそうになる胸の響きをごまかすには、陸都の名前を出すしかなかった。 「知ってますよ、だから来たんです。万莉奈さんも休みだって聞いたから……今日俺の誕生日なんですよ。一緒に祝ってくれません?」  なにそれ。  高鳴りそうになっていた胸の響きは、高鳴り始めた。 「そうなんだ!おめでとう。じゃあ、コーヒーでも淹れるわね、入って。」  でもごまかさないといけない。  東山くんは陸都の同僚。  その同僚をただ迎え入れるだけなのだと。
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