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今、
なぜ、
血の気も引いているような真っ白い頭の中であの時を思い出すんだろう。
不束かなピンクは家に似合わない。
幸せなものなど、この家には必要ない。
ピンクだけが不釣合いな空間の記憶に残される。
不確かな触手は確実に的を射止めてきた。
丸裸にされていく僕の羅列
汚れたケーキ皿。
ああ、
ああ。
もうやめてくれ。
お願いだ。
もう、これ以上入らないでくれ。
魂の絶叫と絶望が交差してなす術もなく僕はただ、ただ。
虚空の中。
今、あいつは僕の中にいる。
真っ白な脳裏に鮮やかに映えるピンク色。
オヤジの嬉しそうな顔。
今、あいつは僕の中にいる。
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