10000回に1度のプレミアムデイ

4/4
前へ
/4ページ
次へ
インターホンがなった。 いつものごとく、シャッターのスイッチを押す。 足元が見えて、彼だと分かった。 しゃがんでシャッターの下から覗くと、彼は驚いた顔をした。 「はっ…。おー…よっしゃああ、ラッキー!」 「は?」 「あ、この荷物、こっちでよかったですか ね?」 「うーん…私らのところではなさそうだけど…」 別の部署の人が通ったので聞いてみると、その人の部署の荷物だった。 「あと…これとこれは…事務所ですか?」 「あーそうね~。名前がそうだ」 「わかりました。ありがとうございます…じゃあ、また」 「はーい、ご苦労さま…」 シャッターを閉めながら考えていた。 『なんで…よっしゃ、ラッキー? でも、君はここの担当になって何年経つんだ?今までにも、同じような荷物あったよね…。 それに以前は、午前中の配達は必ず事務所へ行っていたよね。 最近だよね…なんでもこっちに持ってくるようになったの… 君…どうしたの?』 いつも、何か話しかけては私を引き止める。 私、ほかの人の時は、世間話なんかしない。 『…余計なことを考えて、何だかドキドキしたじゃないか…バカ…』
/4ページ

最初のコメントを投稿しよう!

0人が本棚に入れています
本棚に追加