0人が本棚に入れています
本棚に追加
インターホンがなった。
いつものごとく、シャッターのスイッチを押す。
足元が見えて、彼だと分かった。
しゃがんでシャッターの下から覗くと、彼は驚いた顔をした。
「はっ…。おー…よっしゃああ、ラッキー!」
「は?」
「あ、この荷物、こっちでよかったですか
ね?」
「うーん…私らのところではなさそうだけど…」
別の部署の人が通ったので聞いてみると、その人の部署の荷物だった。
「あと…これとこれは…事務所ですか?」
「あーそうね~。名前がそうだ」
「わかりました。ありがとうございます…じゃあ、また」
「はーい、ご苦労さま…」
シャッターを閉めながら考えていた。
『なんで…よっしゃ、ラッキー?
でも、君はここの担当になって何年経つんだ?今までにも、同じような荷物あったよね…。
それに以前は、午前中の配達は必ず事務所へ行っていたよね。
最近だよね…なんでもこっちに持ってくるようになったの…
君…どうしたの?』
いつも、何か話しかけては私を引き止める。
私、ほかの人の時は、世間話なんかしない。
『…余計なことを考えて、何だかドキドキしたじゃないか…バカ…』
最初のコメントを投稿しよう!