『クマさん。』

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翌日の仕事もどこか上の空で、なかなかショックから立ち直れない。 せめてミスはしないようにと気合を入れ直すのだけれど、ふと彼女のことを思い出して溜息が漏れるばかり。 品出しをしていても、あのゆるキャラのシールが貼られた商品を見ると落ち込んでいく。 同僚たちはみんな事情を知っているだけにそっとしておいてくれているのがせめてもの救いだ。 「あの.....」 ぐるぐると考えているなか女性客に話しかけられる。 レジにも店員はいるのに、何故僕なのかと思い顔を上げて声を出しそうになった。 「昨日は、呼び止められたのに、申し訳ありません」 彼女が、『クマさん』が、気まずそうに視線を逸らしながら僕の目の前にいるではないか。 思考が追いつかずに僕は口を開けたまま彼女を見つめた。
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