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◇
それから後輩が彼女について触れてくることはなかった。
相変わらず彼女は土日以外は毎日のように店に寄っていく。
このペースだとそろそろ商品と交換できるのではないだろうか。
シールが溜まったら、また彼女は暫く訪れなくなる。
もし彼女が異動があったりだとか、仕事を変えたりだとか、引越ししたりだとかをしたらここには来なくなるんだ。
後輩に言われたことを思い返してついぼんやりしてしまう。
そもそもあんなに可愛いのだから彼氏だっているかもしれない。
ダメな可能性の方が高いのに、やっぱり無理だよ。
レジで項垂れていると、戸惑ったような女性の声が聞こえて慌てて顔を上げた。
「い、いらっしゃいませ!」
そして僕は固まる。
だって目の前には、『クマさん』が、眉を下げて立っていたのだから。
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